「英語が苦手だから転職は無理かも…」
「英語を学べばキャリアアップできるはず!」
こんなふうに思ったこと、ありませんか?
でも、そもそも英語って本当にキャリアに役立つのでしょうか?
もしかしたら、私たちは日本人特有の英語コンプレックスや、企業の「英語できれば有利!」というマーケティングに踊らされているだけなのかもしれません。
とはいいつつも実は、私自身は転職活動を通して英語の力を実感した一人です。
ただ、その実感だけじゃなく、これから学び始めようと思っている人や、キャリアアップを考えている人に向けて、もっと客観的に伝えたいと思いました。
そこで、英語の「メリット」と「デメリット」をデータで徹底的に調べてみました。
例えば、転職サイトで求人を検索してみると、英語を活かせる求人は250,356件中たったの791件。なんと約0.3%しかありません。(2025年7月時点)
これだけ見ると「え?英語ってそんなに必要じゃないの?」と思いますよね。
でも、さらに調べると「高年収やハイクラスの転職には大きな武器になる」という事実と、
今後の日本の政策からも、英語は確実に重要度が増していく方向性が見えてきました。
この記事では、主観ではなく信頼できるデータをもとに「英語はキャリアに本当に必要なのか?」を整理しています。
あなたがこれからのキャリアを考えるときのヒントになれば嬉しいです!
1.これでも「英語は重要スキル」と言えるのか?
「英語はキャリアの武器になる」――これはよく耳にするキャッチコピーですよね。
企業の海外進出が進んでいるから、英語が必要だ。
企業も英語力の高い人材を求めている――。
そんなふうに思いがちですが、実際にデータを見てみると、意外にも現実は少し違っていました。
そういった意味では、英語の必要性を信じきれない人が感じている疑問は正しいとも言えます。
ここからは根拠となるデータを一つずつ紹介します。
求人数の割合
転職サイトdodaで求人を検索してみると、全求人250,356件のうち「英語を活かせる求人」はわずか791件しかありません。(2025年7月時点)

これを見ても、すべての企業が英語力を求めているわけではないことがわかります。
特に、建設、物流、不動産、看護・介護、飲食といった業界では、日常業務で英語が必要になる機会は少なく、英語スキルが重視されるケースは限られます。
そもそも日本は、まだGDP世界第4位と大きな国内市場を持っているため、日本語だけで完結する仕事が多く存在することも事実です。
海外進出企業の推移
「これからは国内市場が縮小するし、海外展開が重要になるのでは?」と思う人もいるでしょう。
たしかに、日本のGDPは中国やドイツに抜かれ、第4位にまで後退しています。
しかし、実際には日本企業の海外現地法人数はこの10年ほど伸びていません。
年度 | 現地法人数(社) |
---|---|
1995年 | 10,416 |
2000年 | 14,991 |
2005年 | 15,850 |
2010年 | 18,599 |
2015年 | 25,233 |
2020年 | 25,703 |
2021年 | 25,325 |
2022年 | 24,415 |
2023年 | 24,058 |
出典:経済産業省「海外事業活動基本調査」
90年代以降に伸びていた海外展開は、この10年で停滞しています。
さらに、円安の影響やBCP(事業継続計画)の観点から、国内回帰を進める企業も増えています。
また、国内からの輸出や海外投資を行う企業の割合も、近年は横ばいです。

企業が求めるスキル
日本経済団体連合会の「新卒採用に関するアンケート調査」によると、企業が新卒選考で特に重視する点は次の通りです。

1位:コミュニケーション能力 82.4%
2位:主体性 64.3%
3位:チャレンジ精神 48.9%
そして、語学力はわずか6.2%にとどまっています。
ちなみに、2010年の同調査では語学力は2.6%でした。確かに少し上昇していますが、それでもまだ限定的です。
ここまでのまとめ
これらのデータから、以下のことが見えてきました。
- すべての業界や企業で英語が求められているわけではない
- 海外進出は今や大きなトレンドとは言えなくなっている
- 英語よりも優先されるスキルがある
つまり、英語スキルが活きる場面は確かに存在しますが、英語が「すべて」ではないということです。
2.それでも「英語は重要」といえる理由
ここまで「英語が必ずしも必要ではない」というデータを見てきましたが、実はこれだけでは見落としている重要な視点があります。
それは、以下の3つです。
- キャリアの広がりとは、単に「求人の数」が増えることではなく、昇進・昇格、スキルの獲得、年収アップなどの「キャリアの質的な向上」を含むこと
- 日本企業の海外進出だけでなく、外国企業の日本進出が加速しており、国内にいてもグローバル環境が身近になること
- 新卒と中途採用では、企業が求めるスキルや評価ポイントが大きく異なること
これらの視点を踏まえると、英語スキルの価値は一気に見え方が変わります。
ここからは、それを裏付けるデータを具体的に見ていきましょう。
英語スキルと年収
英語スキルがあるからといって求人数が一気に増えるわけではありません。
しかし、キャリアアップ、特に年収に関しては話が別です。
Daijob.comの調査によると、英語力のある人は40代、50代になったときに大きな年収差が生まれます。
- 英語力が高い50代男性は、平均年収の約1.4倍(+261万円)
- 英語力が高い50代女性では、なんと約1.9倍(+301万円)

さらに、JACリクルートメントの調査結果も見てみましょう。
TOEICスコア | ボリュームゾーン | 平均年収 | 最高年収 |
---|---|---|---|
599点以下 | 550〜750万円程度 | 約740万円 | 約2,200万円(部長以上) |
600〜700点 | 600〜800万円程度 | 約800万円 | 約3,000万円(CEO) |
700〜800点 | 600〜800万円程度 | 約830万円 | 約3,100万円(本部長以上) |
800〜900点 | 600〜850万円程度 | 約890万円 | 約3,700万円(本部長以上) |
900点以上 | 650〜900万円程度 | 約910万円 | 約3,500万円(本部長以上) |
出展:JACリクルートメント2024年1月~2024年12月分データ https://www.jac-recruitment.jp/
このように異なる調査でも、英語力と年収に強い相関があることが示されています。
転職では業務経験や専門知識、マネジメントスキルなど様々な要素が評価されますが、もしキャリアアップを狙うなら、英語スキルは強い武器になります。
特に40代以降、役職が上がるにつれて英語力の重要性が増していくのは想像に難くありません。
外国企業の日本進出拡大
日本企業の海外進出は横ばいですが、その一方で外国企業の日本進出はどんどん増えています。
対日直接投資残高は、2014年の23.4兆円から直近の2024年には53.3兆円へと、わずか10年で約2倍に成長しています。

さらに政府は今年、上記資料の2023年時点では80兆円としていた2030年の目標を120兆円に上方修正する「対日直接投資促進プログラム2025」を打ち出しました。これは、日本にどんどん外国資本が流れ込んでくるという強いメッセージでもあります。
こうした動きが進むと、私たちの働く現場はどうなるのでしょうか?
外国資本が増えることで、以下のような変化が予想されます。つまり、「英語力を身につけないとこれからのキャリアで不利になる可能性が高い」ということです。
- 外国人労働者の増加と職場の多様化
→ チーム内に外国人スタッフが増え、共通言語として英語を使う機会が増える。 - 雇用制度や待遇の変化
→ 外資系の基準や文化が入ることで、英語での報告や交渉が求められる。 - 労働市場全体での競争の激化
→ 外国人人材もライバルになるため、英語力があるだけでアドバンテージになる。 - スキルアップやキャリア形成の必要性の高まり
→ グローバル化に対応するために、英語力を含む「+αのスキル」が求められる。
将来的には、あなたが管理職になったとき、部下の中に外国人がいるのが当たり前になっているかもしれません。
やはり中途では評価される英語力
新卒では評価の低かった英語スキルですが、中途採用になると評価は一変します。
朝日新聞出版の調査では、中途採用で英語力を評価する企業はなんと73.9%にも上ります。

もちろん、英語スキルだけあれば良いわけではありません。
中途採用では即戦力が求められるのが基本です。

それでも、英語スキルは「プラスアルファの強み」としてあなたの市場価値を高めてくれることは間違いありません。
両面から見えた英語スキルの真価
ここまで両面から英語スキルについて見てきて、だいぶ市場価値がクリアになってきたのではないでしょうか。
- すべての業界や企業で英語が求められているわけではない
⇛ しかし、キャリアアップを狙うなら英語スキルは強力な武器になる - 海外進出は今や大きなトレンドとは言えない
⇛ その代わり、外国企業の日本進出はこれからさらに加速する - 英語よりも優先されるスキルが多い
⇛ だからこそ、即戦力となる専門スキルをベースに、英語で差別化する戦略が必要
これで「英語スキルが本当に必要かどうか」を自分のキャリアに照らし合わせて考えるヒントになったと思います。
次の章では、具体的に「どんな英語力が求められるのか」をさらに深掘りしていきましょう。
3.企業が見ている英語力の本当の指標
英語力を測る指標として、まず思い浮かぶのがTOEICスコアです。
実際に多くの企業で採用基準として使われていますが、最近では評価の基準が少しずつ変わり始めています。
特に注目されているのが CEFR(セファール) という国際指標です。
特徴は、単なるスコアではなく「実際にどんな業務ができるか(Can-Do)」を重視している点です。
株式会社レアジョブが2024年に行った調査によると、CEFRを導入する企業が増えており、導入理由として最も多かったのが「会話力を重視したい」という回答でした。

さらに、CEFRを評価指標に採用しているスピーキングテスト PROGOS® は2020年6月にサービスを開始し、2024年5月末までに累計66万人が受験しています。
2023年時点で40万人超だった受験者数が、2024年5月末には66万人と、わずか1年で約26万人増加(約65%増)という急成長を見せています。
このデータからも、企業の英語力評価が「リスニング・リーディング重視」から「スピーキング重視」へ大きくシフトしていることがはっきりとわかります。
つまり、これからのキャリアでは、単なるスコアではなく「実務でどう使えるか」がますます重視されるようになると言えるでしょう。
実務を意識した英語学習がカギ
ここまで見てきたように、これからの英語力は「何点取れるか」よりも、「実際に仕事でどう使えるか」が重視されています。
つまり、机の上で勉強するだけではなく、実際に「話す」「使う」経験がとても重要になってくるということです。
こうした背景からも、英語学習は「ゼロか100か」ではありません。
たとえ初級レベルでも、実務でのやり取りができる力を身につけていれば、それが十分に評価される場面は多くあります。
その中でも特に有効なのが オンライン英会話 です。
実際に外国人講師とリアルタイムで会話することで、スピーキング力やコミュニケーション力を自然に鍛えることができます。
机上のスコアではなく、「使える英語」としての経験値を積めるのが大きな魅力です。
さらに、英語力をスコアだけではなく「実践経験」として企業にアピールする方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

4.まとめ
データと資料が多い中、ここまで読んでいただき本当にお疲れ様でした。
英語スキルについて、多面的にデータや事実を整理することで
「結局、自分には必要なのか?」を改めて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
英語は、すべての業界や職種で求められるスキルではありません。
日本には国内市場だけで十分に成り立つ仕事がたくさんありますし、
建設、物流、医療、飲食など、英語がほとんど必要ない職場も多くあります。
しかし一方で、キャリアアップや年収アップを目指したい、
マネジメントポジションを狙いたい、
あるいはこれからのグローバル化に備えたいと考えているなら、
英語スキルは確実に「持っておいて損はない」武器になることも、データが示していました。
しかも今後は、単なるスコアではなく「実務でどう使えるか」という
本当の意味でのコミュニケーション力がさらに重視されていきます。
ここまでの内容をまとめると、英語スキルは
✔ 必須ではないが、
✔ キャリアの選択肢を大きく広げる「強いプラス要素」である
という位置づけが見えてきます。
だからこそ大事なのは、
「自分はどんなキャリアを選びたいのか?」
「自分の専門スキルをどう活かしたいのか?」
「そのために英語が必要か?」
という視点で考えることです。
もし、少しでも「これから必要になりそうだな」「挑戦してみたい」と思うなら、
是非最初の一歩を踏み出してください。
最初の一歩への私のおすすめはオンライン英会話です。
ハードルが高いと思われる方は以下の記事でその効果を詳しく解説しています。

このブログではキャリアアップに関する情報をお届けしています。
将来不安を突破するための戦略について興味がある方は是非読んでください。

あなたのキャリアの未来を決めるのは、あなた自身です。
この記事が、そのヒントになれば嬉しいです!